スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

広がる穀物輸出規制/「余剰の時代」の終わりか

2008年04月20日 23:00

 輸出税を課したり輸出枠を設けたりと、穀物の輸出を規制する動きが主要生産国で相次いでいる。ほとんどが新興国で、穀物価格の高騰に伴って増加する輸出を抑え、国内供給を優先させるための措置だ。

 地球温暖化による異常気象の頻発、バイオ燃料の増産に加えて、こうした動きが広がれば、世界の穀物需給はさらに逼迫(ひっぱく)する。世界最大の食料純輸入国である日本にとっては脅威であり、食をめぐる政策・戦略の練り直しが急務だ。

 輸出規制の影響が最近あらわになったのはコメ。規制したのは中国、インド、ベトナム、エジプトだ。貿易量が減少したため、国際価格も大幅に上昇。輸入に頼る香港やフィリピンでは、消費者が買いだめに走るなど“コメ騒動”を引き起こした。

 この例ばかりではない。米国やオーストラリア、ブラジルなどは別だが、ロシアが大麦、小麦に輸出税をかけたのをはじめ、ウクライナ、セルビア、アルゼンチンなども小麦やトウモロコシを中心に規制を敷いた。

 これらの国々、特に中国とインドでは人口増が著しい。さらに日本も経験したように、経済成長とともに食生活が変化し畜産物や脂質の摂取傾向が強まっている。食料としても飼料としても穀物の国内需要が高まったことが輸出規制の背景にある。

 これまでの穀物貿易はいわば「余剰の時代」の産物だった。国内であり余った物を輸出し国際市場で「商品」として取引してきた。が、その動きは影を潜め国内供給を優先する流れに変わった。穀物は自国民の生存と安全に不可欠な「戦略物資」としての色彩を強めつつある。

 日本は官民ともに、そうした現状を認識する必要がある。

 穀物の貿易量は大豆が全生産量の30%に上るものの、コメは7%にすぎず、小麦、トウモロコシも10%台にとどまる。

 現状のまま推移すれば、日本は、経済成長が著しく、いずれ輸入国に転じかねない中国やインドなどと、しぼむパイを奪い合うことになる。そうなれば価格はさらにつり上がり、争奪戦に勝っても負けても国民生活に計り知れない打撃を与えよう。

 日本の食料自給率は39%、基礎食糧である穀物に至っては27%にすぎない。余剰の時代にどっぷりとつかってきた結果だ。長い眠りから早く目覚めなければならない。

 国内農業はかつて過保護という強い批判にさらされ、保護が大幅に削られた。生産効率を高めるため大規模化を促し価格決定も市場原理に委ねる政策が取られてきた。ところが、自給率は一向に上がらず農業現場の疲弊感はむしろ増している。農政の転換が必要なのは明らかだ。

 ただ、自給率は急に向上するものではない。外に向けては輸入相手国の偏りをなくすなどして輸入の安定化を図る努力が要るし、備蓄についても戦略的な取り組みが必要ではないか。

 われわれ消費者も食べ残しや食品の廃棄をなくすよう努めたい。われわれの食の在り方が世界の飢餓と無関係ではないことも忘れてはならない。

(2008/04/20 河北)
スポンサーサイト

クローズアップ2008:穀物急騰、途上国を直撃

2008年04月19日 23:00

 コメや小麦など、穀物価格の急騰が途上国に深刻な打撃を与え始めた。主食を輸入に頼る国々では暴動が相次ぎ、中米の最貧国ハイチでは政府崩壊の危機を招いている。一方、輸出国側では自国消費分確保のため輸出禁止の動きも広がり、「食糧ナショナリズム」の様相も呈する。背景には新興国の需要拡大のほか、低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題で投機資金が穀物市場へ流れたことなどがある。7月の北海道洞爺湖サミットでも主要議題になりそうだ。
 ◇暴動で死傷者多発

 「空腹が耐えられない」「大統領、辞めろ」--。今月8日、ハイチの首都ポルトープランス。食糧価格高騰に抗議し大統領府へ突入しようとする市民を、駐留する国連平和維持軍が催涙弾で阻止する様子をAP通信が伝えた。国民の8割が1日2ドル以下で暮らす最貧国ではコメなどの値段が昨年の1・5~2倍に跳ね上がった。

 責任を問われたアレクシス首相の解任が上院で決議された12日、プレバル大統領はコメ50ポンド(約23キロ)を51ドルから43ドルに引き下げると発表。だが、豆や牛乳も値上がりし、市民の不満は強い。略奪への発砲などで死者は今月に入り5人に上る。

 南米ベネズエラのチャベス大統領は12日、ハイチへ肉や穀物計364トンの緊急支援を決めた。「ブッシュ(米大統領)がバイオエタノール増産を表明後、貧しい人々の餓死が深刻になった」と、食糧価格高騰の責任は米国にあると非難した。

 国民の2割が貧困層のエジプト。公営のパン屋が1枚5ピアストル(約90銭)の安価なパンを販売する。だが、パンの大きさは3年前の約半分。民間のパン屋の値段は公営店の5倍以上にもなる。パンの売買が原因のけんかなどで先月以降、十数人が死亡した。

 穀物に加え、燃料高騰が重なるアフリカでも暴動が相次ぐ。カメルーンでは2月、物価高騰を一因とする暴動で約40人が死亡。3月のコメ価格が1年前の2倍に上がったコートジボワールやモーリタニアでも暴徒と警察の衝突で死者が出た。世界第4位のコメ生産国バングラデシュも、1万5000人以上の工場労働者が賃上げを求めてストに突入した。【メキシコ市・庭田学、カイロ高橋宗男、ヨハネスブルク高尾具成】
 ◇広がる「自国分確保」

 国連食糧農業機関(FAO)は最貧国の07~08年の穀物輸入代金が前期比56%増加すると予測する。国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事は「このまま高騰が続けば、戦争の危険を含めたひどい結果に世界は直面する」と警告。潘基文(バンギムン)国連事務総長は各国首脳を集め「食糧サミット」を6月に開く方向で検討を始めた。

 事態を重くみた先進国も動き出した。サルコジ仏大統領は18日、「直ちに食糧安全保障を強化しなくてはならない」と述べ、仏が今年度の緊急食糧援助に昨年度比2倍の6000万ユーロ(約98億円)を計上すると表明。米政府もすでに最貧国に2億ドルの拠出を打ち出している。

 食糧価格高騰が途上国を直撃するのは「先進国では食費が家庭の支出に占める割合は1~2割であるのに対し、途上国では6~8割にも達する」(FAO)ためだ。国連の専門家グループは途上国で教育費など「未来への投資」のカットに直結し、長期的な悪影響を与えると指摘する。

 一方、世界有数の小麦生産国カザフスタンは15日、自国での物価上昇に対応するため9月まで小麦の輸出禁止を決定。ベトナムはコメの輸出禁止措置を6月まで延長することを決めた。

 世界食糧計画(WFP)によると、援助用の食糧価格が約1年で5割も上昇。確保が困難になっている。欧州委員会のマンデルソン委員は17日、「世界が食糧安全保障の幻を追うなら、保護貿易主義の連鎖を引き起こしかねない」と生産国を批判した。【西尾英之、パリ福井聡】
 ◇資金、一斉に市場へ
 ◇新興国での需要増/バイオ燃料ブーム/サブプライム危機

 「食糧インフレの時代が来た」--。シカゴ商品取引所(CBOT)の動きに詳しい米エコノミスト、ビル・ラップ氏は、穀物価格の急騰を表現する。中国やインドなど経済成長著しい新興国の食糧需要増が主な背景と言われているが、複合的な原因が指摘できる。

 昨年1月、ブッシュ米大統領が一般教書演説の中でバイオエタノール増産計画を打ち出すと、直後からシカゴ市場のトウモロコシ価格が急騰、1年前の2倍の値をつけた。さらに昨夏、サブプライムローンの焦げ付きが世界的な金融危機に発展。それまで欧米金融市場で、住宅ローン関連の証券化商品に投資してきた世界中の投機資金が一斉に金融市場を離れた。

 行き場を失った資金は投資先を求めてさまよい、値下がりしにくい市場、確実に需要を見込める市場に流れ込んだ。一つがエネルギー市場で、もう一つが穀物市場だった。原油は新興国の需要増が価格を支えた。穀物はバイオ燃料ブームで、既に上昇基調に入っていた。目をつけた投機資金が穀物市場に流れ込んだ形で、シカゴ市場では今年に入ってからも連日のように小麦やトウモロコシの取引価格が史上最高値を更新している。【ワシントン斉藤信宏】
 ◇サブプライムよりアジアへの影響大

 【マニラ矢野純一】アジア開発銀行(ADB、本部・マニラ首都圏)の黒田東彦総裁は18日、記者会見で「コメなど食糧価格の世界的高騰がアジア経済に与える影響は、サブプライムローン問題より大きい」との見方を示した。

 黒田総裁は価格高騰の要因について、▽発展途上国での、穀類を多く消費する肉の需要の増加▽オーストラリアの干ばつによる生産の減少--などを挙げた。総裁は「かんがい設備や農道など生産増加につながるインフラ整備の支援を強化したい」と話し、来月スペインで開かれるADBの年次総会でも主要テーマになるとした。

(2008/04/19 毎日新聞)

仏、緊急食料援助額の倍増を表明

2008年04月19日 23:00

 (一部更新)フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領は18日、パリ(Paris)で開かれた温室効果ガス主要排出国会合で、2008年度の緊急食糧援助額を前年比2倍の6000万ユーロ(約98億円)を拠出すると発表した。

 サルコジ大統領は「37か国が非常に深刻な食糧危機に直面している今、われわれは緊急に食料安全強化のため行動する必要がある」と述べた。

 またスーダン西部のダルフール(Darfur)地方を具体例に、地球温暖化が飢えや暴動、紛争の引き金になるとし、「気候変動は安全保障に非常に大きな影響を及ぼしている」と述べた。

 特にアフリカで、水や農地、水産資源の取り合いが「主要課題」となっていると指摘。

「ダルフール地方では、さまざまな要因が影響し合っていることが分かる。気候変動が貧困化を加速し、それが移民を生み、さらに紛争に発展している。このまま進めば、気候変動により持たざる者たちが持てる者たちの土地に移動し、その結果ダルフール紛争と同様の争いが数多く発生することになりかねない」(サルコジ大統領)

 ダルフール紛争では紛争や飢饉(ききん)、病気で20万人以上が犠牲になり、220万人が家を失った。難民の流出は近隣諸国にも影響を及ぼしている。

 この会合には先進国と中国やインドなど新興国の16か国の閣僚級代表が出席している。温室効果ガス排出量の8割をこれらの国が占めている。

(2008/04/19 AFP)

穀物価格高騰に対応 遺伝子組み換えトウモロコシを輸入 食料原料に供給開始

2008年04月18日 23:00

 スターチ(デンプン)最大手の日本食品化工が、米国産の遺伝子組み換え(GM)トウモロコシを原料とするコーンスターチの供給を飲料メーカーなどに始めたことが17日、分かった。他のスターチメーカーもGMコーンスターチ量産の検討に入った。GM穀物を原料とする食品は消費者に敬遠されるとして、日本では食用油などを除き、ほとんど製品化されていなかったが、今後、GMトウモロコシを使った食品が相次いで販売される可能性が出てきた。

 日本食品化工によると、輸入元の米国で非GMトウモロコシの必要量確保が困難になったことを受け、今年2月に初めてGMトウモロコシを輸入した。すでに「飲料メーカーを含む複数の食品メーカーからの要請に応じる形で、GMコーンスターチの供給を始めた」としているが、供給先は明らかにしていない。年内に調達予定の75万トンのうち、15万トンをGMでまなかう計画だ。

 一方、王子製紙グループの王子コーンスターチは、コーンスターチの大口ユーザーであるビール各社などと値上げ交渉を進める中で、値上げを回避するための有力な選択肢として、価格が安いGM原料を使った製品供給の検討に入った。同社はすでにGM製品の需要拡大を見越し、コーンスターチ製造設備を持つ化学大手、群栄化学工業などとと提携。今後、GM製品需要が拡大した場合、両社の製造ラインのうちの一部をGM製品専用とし、製品を分け合う考えだ。

 GMトウモロコシが使用され始めた背景には、世界的な穀物高騰と、非GM穀物の入手が年々困難になっていることがある。

 日本が9割を頼る米国のトウモロコシは、石油代替燃料のバイオエタノール向け需要の拡大で生産量は年々増加しているが、非GMトウモロコシは作付面積が昨年の約3割から今年は2割弱に減少している。スターチ各社は契約農家に「ジャパン・プレミアム」と呼ばれる上乗せ料金を支払い、食品向けの非GMトウモロコシを確保しているが、「2~3年後には入手が困難になる」(日本食品化工)見通しという。

■怖い消費者離れ ビール・飲料は慎重■

 ビール・飲料各社は、遺伝子組み換え(GM)原料の使用に慎重姿勢を崩していない。遺伝子を組み替えていないコーンスターチの調達難と価格高騰という厳しい環境にあるが、当面は値上げによって対応する構えだ。

 GM原料に慎重な理由として、サッポロビールは「安全性が確保されているというイメージがまだ定着していない」ことを挙げる。GM原料を使用していると表示した場合、売り上げが3~4割減少するとの予測もあり、各社とも製品や企業イメージの悪化を恐れ、GM原料の使用に踏み切れないでいる。

 しかし、現状のままでは、今後の急激な原料高にどこまで対応できるかは未知数だ。非GMコーンスターチの価格は昨年1月以降、約2割も上昇した。それでも過去2年で約2・6倍に急騰したトウモロコシ価格や原油高の影響は吸収しきれておらず、スターチ業界は「存亡の危機にある」(日本スターチ・糖化工業会)という。

 このため、スターチ各社はビール・飲料業界に対し、非GMトウモロコシの値上がり分を負担するか、低価格のGMを使ったコーンスターチに切り替えるかを迫っている。これまでの値上げ交渉の過程では、「ジュースなどについては(GM使用に)柔軟な姿勢をとるユーザーも出てきている」(王子コーンスターチ)との指摘もあり、原材料価格の高騰がビール・飲料各社の背中を押す可能性は否定できない。

(2008/04/18 産経)

科学者グループ、EUにバイオ燃料見直しを提案

2008年04月18日 23:00

20年までに域内輸送燃料の10%バイオ燃料化を目指すEUに対し、欧州環境庁科学委員会は、総合調査が完了するまで実施を見送るよう求めた。輸入バイオ燃料の原料作物がエコロジーを考慮した持続可能な方法によっているかどうか、現状では保証がないため、としている。

【ブリュッセルIPS=デイビッド・クローニン、4月12日】

EU加盟国政府は2007年、2020年までに域内輸送燃料の10%をバイオ燃料で賄うことで合意した。しかし、欧州環境庁(EEA)科学委員会は最近、同目標はあまりにも高く、バイオ燃料の長所/短所に関する総合調査が完了するまで実施を見送るよう求める調査書を提出した。

同報告書は、10%目標達成には、域外からの大規模なバイオ燃料輸入が避けられないとしている。既に、ヤシ油を原料とするバイオ燃料生産の増加により途上国の森林破壊が進んでいるが、科学者グループは、原料作物がエコロジーを考慮した持続可能な方法で栽培されているかどうかを監視することは困難だと主張している。

同報告書はまた、バイオ燃料の使用は、二酸化炭素排出の大幅削減には繋がらないかもしれないと指摘。バイオ燃料増産による水、土地、動植物に対する影響の方を心配している。

この様な指摘は今回が初めてではない。1月にはEC共同研究所の科学者グループが、10パーセント目標達成のためのコストが利益を上回ることはほぼ明確だと主張する報告書を提出していたことが明かにされた。

一方、ECのバローゾ委員長の姿勢は、EEAと真っ向から対立する。同委員長は今週初め、EUは10%目標を維持すべきと発言。バイオ燃料の需要拡大が食糧価格の値上がりを引き起こし、貧困国の飢餓も懸念されるとの国連世界食料計画(WFP)の最近の声明を否定した。(同声明については、ECのエネルギー・コミッショナーも、バイオ燃料に罪を着せるべきではない。不作やインド、中国の中産階級の生活レベル向上が主原因だと述べている。)環境保護NGO“フレンズ・オブ・ジ・アース”のアドリアン・ベブ氏は、「委員長は、環境保護よりもバイオ燃料がもたらす利益を優先する企業のロビイングに影響されている」と語る。

しかし、EUの持ち回り議長国スロバニアのヤンサ首相は、目標の見直し/修正の可能性を排除するものではないと語っており、バローゾ委員長は孤立を深めているとの見方もある。この様な状況下、グリーンピース、欧州環境局、フレンズ・オブ・ジ・アース、バードライフ・インターナショナルは、EU加盟国政府に対し、目標見直しを急ぎ過ぎて、気候変動に立ち向かうEUの威信を傷つけることのないよう求める共同書簡を送っている。

EUのバイオ燃料問題について報告する。

(2008/04/18 IPSJapan)

食料不足 のんきな日本に忍び寄る危機

2008年04月18日 23:00

小麦、大豆などの原材料の高騰から、パン、麺類、その他食料品の値上がりに見舞われているのは、むろん日本ばかりではない。生活苦にさらされるのは途上国のほうが深刻だ。

ハイチではデモ隊が軍と衝突して多数の死傷者を出し、エジプトでも市民が機動隊と衝突する騒ぎになっている。原材料価格の上昇には、干ばつ、バイオ燃料の需要増、投機マネーの流入などの原因がある。加えて、いくつかの国が自国の食糧を確保するために輸出規制にふみ切ったことが拍車をかけた。
需要ショックが要因

世界第2位の米輸出国ベトナムに米を頼ってきたのが、世界最大の米輸入国フィリピンだ。マニラでは米不足に陥って値上がりも招き、「アロヨ大統領が抑えてくれないから、生活が苦しくなっている」と市民の不満を買っている。「政権は政情不安の危機感を強めている」とナレーションは報告する。

この日、休んだ国谷キャスターの代役を務めた畠山キャスターが、「食糧需給の逼迫は新しい段階に入ったのでは?」と、柴田明夫・丸紅経済研究所所長に問いかける。

――-中国、インドなどの人口大国の急速な経済成長に伴って食料需要が急拡大し、供給が追いつけない需要ショックが要因――というのが柴田所長の分析。

こうした「危機」の背景と海外の状況を伝えたあと、日本の取り組みを紹介する。

ある総合商社は、100億円を投資してブラジルに東京23区の1.6倍の土地を取得した。広大な大豆畑を作って、安定的に確保しようとするためである。

また、米余りが課題の新潟県では、米粉を小麦の代わりに利用してパン、うどん、パスタなどをつくり出した。米粉の量産態勢を整え、家庭用米粉の販売も始めたという。
食料自給率の将来像は

と積極的な動きを番組は盛り込む。では、日本の食料自給の将来像はどうなのか。以下、柴田所長の見通し。

――まず米の値段は上がる。耕作放棄や生産調整をやっている場合ではない。資源を目一杯、活用して拡大再生産する方向を目指せば、自ずと自給率は上がってくる。農家の方には大きなチャンスが訪れてきている…。そうはいっても、国土の面積からして、自給率は50%が限界。残り50%は輸入せざるを得ない。食料の安全保障の観点から望ましい輸入の多国間の枠組みはWTOで頓挫している。中国、オーストラリアを含めて2国間の安定輸入対策が必要―- 

中国製冷凍ギョウザ問題が起こった際に、日本の食料自給率は39%に過ぎないと知って、このままで大丈夫なのかと思い、パンや麺類など相次ぐ値上げにはいやな気がしたが、あまり切迫感は持たなかった。この「クロ現」を見てもさほど変化がないのは、番組のつくりが比較的、未来志向だったからだろうか。しかし、確実に忍び寄る「危機」にいつの日か直面したとき、おそらく、なす術なく恐怖するに違いない。

(2008/04/18 J-CAST ニュース)

アジア開銀総裁、食糧高騰「サブプライムより深刻」

2008年04月18日 23:00

 アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁は18日、マニラのADB本部で記者会見し、世界的なコメなど食料価格の高騰に関し「途上国を中心に、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題より深刻だ」と述べた。アジア各国の主食であるコメの値上がりを受け「インフレ抑制が今年から来年にかけての最大の政策課題になる」とも語り、インフレ対策の必要性を強調した。

 黒田総裁は食料高騰について「中国やインド、東南アジアといったアジア地域だけでなくアフリカや中米などでも喫緊の経済課題だ」と指摘。ADBとして「アジアの加盟国が食料高騰による財政難に陥った場合、緊急融資などに応じる」と述べた。

 各国のインフレ抑制策として「一層の金融引き締め策や自国通貨高容認などに期待する」と言及。5月初旬にマドリードで開く年次総会の場などを通じ、各国の当局者と対応を協議する考えも示した。

(2008/04/18 日経)

EU、バイオ燃料に慎重論・目標設定に再検討要求

2008年04月18日 23:00

 バイオ燃料の利用拡大を定めた欧州連合(EU)の数値目標への慎重論が台頭してきた。最近の食料価格の高騰をにらんで専門機関の欧州環境庁が目標設定を見合わせるよう要求。加盟国からも数値目標の再検討を訴える意見が出始めた。バイオ燃料の目標見直しは全体の温暖化対策にも響きかねず、欧州委員会は穀物類の生産拡大や次世代型バイオ燃料の開発促進でしのぐ構えだ。

 温暖化対策を進めるため、EUは2020年までに輸送用燃料に占めるバイオ燃料の比率を10%に引き上げる目標を定めた。これについて欧州環境庁は「大量のバイオ燃料の輸入が必要になり、EU域外での持続的な生産が困難になる」との報告書を作成。加盟国からも「食料生産は最優先課題だ」(バルニエ仏農相)との慎重論が出始めた。バイオ燃料の原料である小麦やトウモロコシなどの食料価格の高騰が背景にある。

(2008/04/18 日経)

食料価格高騰に直面するフィリピン、政府が輸入米を直接販売

2008年04月17日 23:00

 フィリピン国家食糧庁(National Food Authority、NFA)は16日、マニラ(Manila)首都圏で、ベトナムから輸入した政府米を1キロ当たり18.25ペソ(約44.67円)の安い価格で直接販売した。警備のため軍が動員された。

 政府は食料価格高騰による暴動を避けるため、コメを不正に備蓄している業者への取り締まりを強化する一方、米国にコメ支援を求めるなどの働きかけを行っている。

 国連(UN)世界食糧計画(World Food Programme、WFP)は、世界的な食料価格の高騰で、内乱が長引くミンダナオ(Mindanao)島での配給量を削減せざるを得ない可能性があると指摘。配給を受ける約100万人のうち、10年に及ぶ内戦のため避難生活を余儀なくされている女性や子どもへの影響が最も懸念されるとしている。

 世界銀行(World Bank)は、食料価格が過去3年間で2倍に上昇したことで、発展途上国では1億人がさらなる貧困に苦しむことになると警告。先進国に対しこの問題への取り組みを訴えている。

(2008/04/17 AFP)

米、途上国に食糧支援へ・国務長官表明

2008年04月17日 23:00

 ライス米国務長官は17日の記者会見で、世界的な食料価格の高騰で食料難に陥っている途上国を支援するため、数週間以内に米国として新たな支援プログラムを策定する方針を表明した。

 同長官は新たな支援策の詳細は明らかにしなかったが、ブッシュ米大統領は14日途上国向けの2億ドル(約200億円)の食料援助を指示。米政府の援助窓口の国際開発庁(USAID)などを通じた食料援助や食料増産のための技術支援などが柱になるとみられる。

 ライス長官は食料問題の解決に向け「世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)の合意が重要」と指摘。交渉の進展に意欲を示した。

(2008/04/17 日経)

世界最大の資源・食料大国へ-ブラジル

2008年04月16日 23:00

中南米諸国内でも格差拡大
 ブラジル各メディアは十四日、同国南東部沖で巨大な海底油田が発見されたと報じた。同国は、鉄鉱石や原油などのエネルギー資源だけでなく、大豆などの食料生産の分野でも世界有数の資源大国となりつつある。一方、同じくラテンアメリカの一角に位置するハイチでは、食料価格急騰から暴動・略奪などが続いている。世界の中で「持てる国」と「持たざる国」の差が現れてきた。

最貧国ハイチでは暴動続く
 カリブ海の島国ハイチと南米の大国ブラジル。両国共に中南米(ラテンアメリカ)の一角に属しながらその国力や国土はゾウとアリほどにも違うが、近年になって際立ってきたのが、資源・食料を「持てる者」と「持たざる者」の差だ。

 ハイチの首都ポルトープランスは、もともと農業に適した土地が少なく、食料自給率は50%にも満たない。加えて、これといった資源もないために、世界的な資源・食料価格の変動を受けやすい。

 ラテンアメリカ最貧国の一つとして、同国では国民の多くが貧困層に属している中で、昨年来の急激な食料価格、特に主食のコメの高騰は市民の懐を直撃、商店襲撃などの暴動につながった。

 食料価格の高騰による暴動や社会不安が起きているのはハイチ以外にも見られるが、特に政府や民間に資金力がない貧困・途上国にそれが顕著だ。食料価格を抑え込むだけの資金・実行力が政府にないことも一部貧困国の社会不安を増大させていよう。ハイチでは、国際支援金を利用してコメの価格を引き下げた。

 首相解任にまでつながった暴動がハイチで続く中で、ラテンアメリカの経済大国ブラジルでは、未曽有の原油ラッシュと農業景気に沸いている。

 ブラジル石油監督庁のリマ長官は十四日、同国南東部沖の大西洋海底で推定最大三百三十億バレルの巨大油田が見つかったと明らかにした。埋蔵量が公式に確認されれば、二十一世紀に発見された油田の中では世界最大、埋蔵量では世界で三位の油田になる。

 ブラジルは既に一昨年から原油の完全自給を達成した国の一つとなったが、近年になって海底油田の発見と開発が続いており、今回の発見でその埋蔵量が一気に現在の三倍にもなるという。ルラ・ブラジル大統領は昨年来、石油輸出国機構(OPEC)加盟の可能性にも言及しているほどだ。

 石油業界だけでなく、世界の金融界さえもが「原油生産のピーク論が崩れる可能性すらある」として注目するほどの大油田の発見に沸くブラジルだが、同国はそれだけではない。

 ブラジルは、エタノール燃料ブームに乗った「エタノール景気」や、中国やインドの成長による世界的な大豆消費の拡大などを通じて「二十一世紀の食料大国」として世界の表舞台に一気に出てきた。昨年、ブラジルの生産農家は記録的な利益を上げたという。

 ブラジルは、既に世界有数の食糧生産・輸出大国の位置を獲得しているが、同じ農業大国の米国と明らかに違うのは、その生産可能性だ。

 米国の農業生産は頭打ちにあるといわれるが、ルラ大統領は「ブラジルが生産可能な耕地は現在の三倍はある」と最近の国連会議で発言した。事実、生産性の向上余地を含めると、ブラジルでの食料生産はまだまだ伸びるとみられている。

「二十一世紀の食料問題はブラジルがカギを握る」といわれるゆえんだ。

 農業大国のブラジルは、ハイチに比べてみれば、食料事情ではるかに恵まれていると言えそうだが、世界的な食料高騰と資源獲得競争の波は自由市場経済の下で確実にブラジルにも押し寄せている。

 同国内では、昨年来から小麦粉や大豆などの値段が急騰、各種食用油が50%以上の値上がりをするだけでなく、日々の食卓に欠かせないパンや基本食料品の値上げが、市民だけでなくインフレ対策に悩む同国政府の頭痛の種となっている。ブラジルは食料輸出大国だが、国内価格も世界的な相場に左右されるわけだ。

 ブラジルで、近年特に穀倉地帯として注目されているブラジル中西部のマットグロッソ州と南マットグロッソ州。

 南マットグロッソ州では、エタノール燃料ブームに伴う海外からの投資が押し寄せたことで、サトウキビ農場が一気に増えた。また、大豆などを確保したい中国は、現地の大規模農家や地主と契約、同州で生産される数十%にも及ぶ大豆など、多くの農産物を押さえている。

 これまで牛を放牧していた地主がエタノールの原料となるサトウキビや大豆生産などに切り替えたことで、牛肉の生産が減った。これまで「牛の州」といわれて海外へ牛肉を大量に輸出してきた南マットグロッソ州においても牛肉の値段はうなぎ上りとなり、昨年だけで50%近くの値上げがあった。ブラジルの一般庶民は、農業大国であるにもかかわらず食品価格の高騰に悲鳴を上げている。

 世界的な食料争奪戦は、世界の食料庫となりつつあるブラジルにも少なからぬ影響を及ぼしている。

 原油や鉄鉱石などの豊富な資源と農業大国としての大きな可能性を持つブラジルは、世界の食料問題と資源獲得競争の中でこれから大きな役割を占めることとなる。

 また、同国内での食料高騰が今後、ブラジルの内政の方向にも影響を与えないとは言い切れない。

 ブラジルはこの後、国内環境を迅速に整備する力と、より成熟した内政・外交力を求められることになる。

(2008/04/16 世界日報)

最近の記事

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。