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排出権取引制度をめぐる攻防

2007年08月04日 11:23

■「キャップ」をめぐって訴訟が多発する欧州排出権市場

「EU(欧州連合)新加盟のポーランドやチェコが欧州委を提訴」──。2007年7月14日付けの日本経済新聞朝刊に衝撃的な見出しが躍った。報道によると、スロバキア、ポーランド、チェコ、ハンガリーの4カ国が、二酸化炭素(CO2)排出割り当ての算出根拠が不明確だとして、欧州委員会を欧州司法裁判所に提訴したという。京都議定書の第一約束期間がスタートする2008年を目前に、EUが加盟国にCO2排出の上限枠を割り当てたところ、議定書調印後に加盟した中欧各国が「経済成長を阻害する」と反発、EUの足並みの乱れを世界に知らしめた。

実は、EU加盟国へのCO2排出上限枠割り当てをめぐる訴訟は、今回が初めてではない。京都議定書締結時からの主要国である英国とドイツもEUを提訴したことがある。英国は取り下げたがドイツは現在も係争中だ。また、企業が国から配分された排出上限枠を巡って自国政府を提訴するケースもあり、EU全体で 800件もの訴訟が起こされているという。

EUは京都議定書で1990年比8%のCO2削減を約束している。この削減目標を域内全体で達成するために、2005年、世界に先駆けて大規模なEU域内排出権取引制度(EU ETS)を創設し、キャップ・アンド・トレード方式を導入した。この制度は、加盟各国へのCO2排出量の割り当てが大前提となる仕組みだ。

各国政府は自国のCO2排出量を枠内に収めるため、国内でさまざまな施策を行う。その一つが、排出権取引市場の活用だ。その場合、各国政府は国内の電力や鉄鋼、セメントなど国内のエネルギー多消費型の施設ごとにCO2排出上限枠を与え、いわゆる「キャップをかぶせる」。キャップをかけられた施設は、決められた期間内にキャップを履行できないと罰金を支払わなければならないため、取引市場を通じて実際の排出量と排出上限枠との差分を調達する。すなわち、市場を介した取り引きの利用により、最も安いコストでCO2を削減できるという理屈の下に行われているのがEU ETSなのである。

(2007/07/31 日経BP)
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