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「キャップ方式」 国内産業界も反発

2008年01月27日 09:00

 国内産業界には、一部に導入を求める声があるキャップ方式など温室効果ガス排出権取引への反対論が根強い。

 日本は京都議定書により2008~12年の年平均で90年比6%削減のキャップ(排出枠)を課せられている。しかし、産業界は日本経団連が進める自主行動計画に基づいて生産単位あたりの排出量(排出原単位)の低下と自主削減目標の達成に取り組んできた。昭和40年代の石油危機以降の徹底した省エネで、排出原単位は世界最低水準。欧米企業に比べて削減余力は限られる。

 鉄鋼業界は目標達成のために二酸化炭素(CO2)4400万トン、約1000億円分の排出権購入を余儀なくされている。電力10社で組織する電気事業連合会も1億2000万トンのCO2排出権を購入する。「(議定書は)あまりにも不平等」(鉄鋼業界幹部)とのうめき声がもれる。

 欧州が主張するキャップ方式が主流になれば、原油などと同様のマネーゲームで排出権価格が高騰▽温暖化防止に向けた研究開発投資の鈍化▽資本力に欠けて排出権が取得できない中小企業の活動制約-など、さまざまな弊害が指摘され、日本経団連の御手洗冨士夫会長は「排出規制の少ない国への生産移転が加速し、産業空洞化に拍車をかける」と懸念を示す。

 実際、新日鉄は「規模も力」(宗岡正二副社長)との認識に基づく粗鋼生産量4000万トン超への拡大目標に、排出規制のないブラジルのグループ会社による高炉建設を含めるなど“産業空洞化”を懸念させる空気が漂っており、環境と産業との両立を前提にした議論が求められている。

(2008/01/27 産経)
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