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急拡大するCO2排出権市場

2008年04月11日 23:00

2008年4月
排出権市場を牽引する欧州

地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの排出権市場が急拡大している。2005年に全世界で1兆円程度であった排出権取引額は、06年には3.5兆円程度、 07年には6.3兆円規模にまで成長した。この市場拡大を牽引しているのが欧州排出権取引市場(EU-ETS)である。07年のEU-ETSでの取引額は約4.4兆円となり、全世界の排出権取引額の7割を占め、存在感を示している。EU-ETSの取引価格は、他の排出権市場の価格形成においても参考指標となっている。

2005年からスタートしたEU-ETSは、欧州連合(EU)独自の制度である。05年から07年までの第1期間は、加盟国内の発電設備やボイラーなど1万ヵ所以上のCO2大規模排出源を対象に排出枠が割り当てられ、排出削減が義務付けられた。第1期間の排出権価格は、一時期1CO2トン当たり30ユーロを超えたが、その後各国の排出削減実績が予想より好調であったことから供給過剰が見込まれ、最終的には0.1ユーロ以下に落ち込み、第1期間の終了を迎えた。

2008年から始まった第2期間の排出権先物価格は比較的安定している。第1期間の排出権価格が下落し始めた06年秋以降も15ユーロ/CO2トン前後の価格帯を維持し、2007年5月以降は概ね20ユーロ/CO2トン前後で推移している。同じ先物でも、第2期間の最終年にあたる12年物の方が08年物より高値で取引されている。2月15日取引分の先物価格(ECX調べ)を見ると、08年12月渡し価格が20.87ユーロ/CO2トンであったのに対して、12年12月渡し価格が23.59ユーロ/CO2トンというように1割超の高値となっている。第2期間の各国の排出枠割当量は第1期間より厳しく設定され、目標未達時の罰金も100ユーロ/CO2トンに引き上げられたため、需給がタイトになると考えられているようだ。
排出権取引のグローバル化

欧州以外でも排出権取引の市場は拡大傾向にある。京都議定書を批准していない米国でも、地域・民間レベルで排出権取引導入の動きが活発である。2003年に民間の自主的な取引市場としてシカゴ気候取引所(CCX)が設立されている。米国北東部の10州が参加する地域連合RGGIは、2009年1月から取引開始予定である。カリフォルニア州でも11年1月までには取引市場を導入する予定であり、その動きは太平洋岸・西部9州の地域連合WCIに発展している。 WCIにはカナダから2州が参加しており、国境を越えた広がりを示している。

現在、米国連邦議会には、温暖化対策を強化して排出権取引を導入する複数の法案が提出されている。今秋に大統領選を控えているが、環境対策に積極的な民主党政権になればもちろんのこと、共和党政権が継続しても、現在のブッシュ政権より地球温暖化対策に力をいれることは間違いないと考えられている。来年以降、連邦レベルで排出権取引を実施するための具体的な検討が行われる可能性は高い。

更には、オーストラリアやニュージーランドにおいても、排出権取引の検討が進んでいる。昨年10月に、EU非加盟のノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインの取引制度とEU-ETSの連結が合意された。EU-ETS、米国、これらの諸地域・国の取引市場間で、共通プラットホームの構築も検討されており、今後、グローバルな取引が活発になる見込みである。

(2008/04/11 富士通総研)
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