スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第1部地殻変動(3)排出量取引は3500億円市場(環境新経営エコエコノミー)

2008年04月24日 23:00

地球温暖化を促進するガスを壊すビジネスで注目を集める企業がある。カーエアコン用などの冷媒である代替フロンを生産するイネオスケミカル(東京・品川)。代替フロンを生産する傍らで、正反対の分解事業に進出した。

代替フロンは排出すれば二酸化炭素(CO2)の千三百倍の温暖化効果を持つ。欧州では二〇一一年以降の新型車種で利用が禁止される。既存事業が危機にひんしたとき、「製造から破壊ビジネスへ」という逆転の発想が生まれた。

京都議定書のルールでは新興・途上国で温暖化ガスを削減すれば、金銭的価値を持つCO2の「排出枠」が生まれる。世界中の冷媒工場では副生成物としてCO2の一万倍の温暖化効果をもつガスが発生、大気中に放出していた。集めて破壊すれば膨大な排出枠を得られるはず――。そう見込んで破壊処理プラントを韓国に設置した。

世界初のビジネスモデルは当たった。CO2一トン=五百円と想定した排出枠の国際価格が同三千円近くに上昇したのが追い風になり、今や本業に匹敵する年六十億円の売り上げをもたらす。

だが国境を一つまたぐと違う光景が広がる。同社は日本で代替フロン冷媒を回収・分解しているが年間の分解量は韓国の十倍あるのに売り上げは六%どまり。議定書は新興・途上国での温暖化ガス削減事業に経済価値を与えたが、先進国の自力での削減は対象外だ。

七月の洞爺湖サミットを前に日本でも国内排出量取引制度の導入論議が始まった。だが、排出量の多い鉄鋼や電力業界などが負担増に反対し、着地点は見えない。

もし、国内に排出量取引制度ができ、温暖化ガスの削減がおカネになればどうなるか。一〇年度までの政府目標では〇六年度実績から八千九百万トンの削減が必要となる。欧州で取引されるCO2は一トン約四千円。単純計算で三千五百億円超の市場が生まれる。冷蔵庫の国内市場(約三千三百億円)に匹敵する額だ。

CO2抑制がおカネと結びつく「カーボンエコノミー」の世界では、その増減が企業の損得に直結する。排出量取引制度で国内と海外の溝がなかなか埋まらない中、このスキを突いてリスクを取りにいく企業もある。

制度で先行する欧州から買えばいい――。丸紅は〇七年、欧州の排出枠取引所に日本企業第一号として参加。三月には欧州から日本への排出枠を移転する取引が成立した。経済的価値を持つCO2が国境を越えて流れ込む。国内制度を待たずにカーボンエコノミーの扉は開こうとしている。

M&A(合併・買収)にうって出た企業もある。大和ハウス工業は〇七年、百億円弱を投じ自家発電機大手で経営不振だったエネサーブを買収した。株式市場からは「なぜあんな会社を」と疑問の声もあがった。

同社が目を付けたのはエネルギー利用量を常時遠隔監視する技術ノウハウだ。全国規模の流通チェーンなどのエネルギー監視に使えば、どの店がエネルギーを浪費しているか一目で分かる。

大和ハウスは事業で年約三十三万トンのCO2を出す。国内に排出量取引が導入されると自らも負担を強いられる可能性もある。それでも田村哲哉経営企画部長は「(国内取引制度が)早くできてほしい」と断言する。

店舗やオフィスビルが出すCO2は九〇年度比で四割も増え、議定書の目標達成に削減は不可欠。大和ハウスでは省エネ支援事業は一〇年度までに七割伸びると見込む。国内建設投資がしぼむなか、省エネを切り口にした成長戦略を描く。

カーボンエコノミーが国内にもひたひたと迫る。あなたの会社はどんな絵を描いていますか?

(2008/04/24 日経産業)
スポンサーサイト

コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://carbonf.blog99.fc2.com/tb.php/460-91fa105b
    この記事へのトラックバック

    最近の記事

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。