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【地球をどうしますか 環境2008】「欧州の空」温暖化対策  技術革新で排出量削減

2008年05月05日 23:00

燃費の改善でCO2削減にも取り組むエア・ベルリンの航空機燃費の改善でCO2削減にも取り組むエア・ベルリンの航空機

 ■技術革新で排出量削減

 二酸化炭素(CO2)の排出削減を迫られているのは、なにも自動車産業などだけではない。「空」も同様である。

 ベルリンのテーゲル国際空港。週末ともなると、格安航空会社の便で欧州各地に飛び立つ旅行客でごった返す。わずか数千円で旅行できる時代になった。

 ドイツ紙によれば、2007年4~10月の国内の空港利用者は6040万人と、1950年代の調査開始以来、最高を記録した。行き先はスペインやイタリアなど。格安の航空運賃が利用増を後押ししている。

 それに伴い、欧州連合(EU)域内の航空会社のCO2排出量も増え、90年以降は87%も増加した。自動車なども含めた世界全体の総排出量に占める割合は3%ではあるが、ドイツの環境団体「BUND」は「格安航空は自然の破壊者ナンバーワンだ」と手厳しい。

                 ■ ■ ■

 こうした批判に、格安各社も手をこまねいているわけではない。エア・ベルリンの女性広報担当、アレクサンドラ・ミュラーさん(34)は「CO2削減は燃料の削減で実現できる。当社は高燃費のエンジンを搭載した就航5~5・2年の若い機体を124機所有し、CO2削減に努めている」と説明する。

 アイルランドのライアン・エアも、機体の翼の先に垂直の小翼を付けて、4%の燃料削減に努めている。同社のピーター・シェラード氏(32)は「航空券が業界一安い当社は客も多く、乗客1人1キロメートル当たりのCO2排出量は89グラム。120グラム以上の会社もある」と胸を張る。

 格安各社に対抗し格安便を飛ばす大手も必死だ。ルフトハンザの“武器”は特製のエンジン洗浄機。その詳細は“企業秘密”で不明だが、エンジンの汚れをきれいに除去すれば、それだけ燃料の燃焼効率がよくなりCO2削減につながるのだという。0・6%のCO2削減を実現した同社のペーター・シュネケンライトナー氏は「高額なエンジン補修費も節約でき、一石二鳥だ」と語る。

                 ■ ■ ■

 9時間20分で1機を製造するという製造大手のエアバス。そのハンブルク工場では機体の改良が続けられていた。

 トーレ・プラング広報室長(36)は「航空機の製造はキロ、つまり重さとの戦い。機体が軽いほど燃料はかからず、CO2を削減できる」と話す。

 軽量化は例えば、金属製の部品などを、強度の高い特殊プラスチック製のものにすることなどで図られている。室温が上がった機内に冷風を送り込むためのパイプ(長さ約1メートル)もそうだ。

 同社には、機体を塗装する際に排出されるCO2などの温室効果ガスを分解してしまう特別作業室もあるという。CO2削減に向けた努力は真剣そのものだ。

                 ■ ■ ■

 「現代人には飛行機の利用を回避するのは無理だ」(ドイツの環境活動家マンフレード・トレバー氏)とはいえ、利用者の側にも努力が必要だろう。ドイツの環境団体などで組織する「アトモスフェア」の活動はユニークな提案をしている。乗客が事前に同組織のホームページ(http://www.atmosfair.de)を使い、搭乗する航空機が放出するCO2を計算し、その量に応じ数千円を善意で寄付するというものだ。ドイツ政府も支援しており、集まったお金は南米諸国やインドなど発展途上国で、太陽熱、水力の利用などに役立てられている。

燃費の改善でCO2削減にも取り組むエア・ベルリンの航空機燃費の改善でCO2削減にも取り組むエア・ベルリンの航空機

                   ◇

 ■無駄な旋回やめなきゃ!? EU規制…経営を圧迫

 EUの取り組みはどうなっているのか。EUは昨年12月、環境相会議を開き、域内で運航する国際線について、CO2の排出上限を2012年から設けるという厳しい規制案を承認した。04~06年の平均排出量をもとに各社に排出枠を割り当てるものだ。

 EUは、規制後に運賃の大幅な値上げはないとの見通しを示している。しかし、AP通信は航空業界筋の話として「法制化に伴う負担は年約40億ユーロ(約6400億円)」と伝えており、経営を圧迫するのは確実だ。規制案は欧州議会の承認を経て法制化されるが、航空業界は「厳しい」、議会側は「手ぬるい」と反発しており、なお調整が必要だ。

 EUは今年初め、54企業、15研究所、17大学とともに、翼の設計やエンジンの改良を通じCO2を半減させようと、16億ユーロ(約2500億円)を投じてのプロジェクトも開始した。半額を補助金として拠出し、15年までの新たな機体の完成を目指す。

 ただ、行政側の取り組みは十分とは言い難い。複雑に分割化された欧州の空の統合も必要となる。航空各社は現在、ジグザグ飛行や空港上空での無駄な旋回により、12%も余計にCO2を放出している。

 ルフトハンザ社によれば、無駄な旋回を解消するだけで、年に約14万トンもの燃料が削減できる。「これは、フランクフルト~ニューヨーク間を毎日11便も飛ばせる量になる」(広報)という。

(2008/05/05 産経)
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