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「ポスト京都」に危機感 鉄鋼業界 減産・資金負担を懸念

2008年05月19日 23:00

 鉄鋼大手各社は、地球温暖化対策の柱である二酸化炭素(CO2)排出量の削減に向けた議論の行方に危機感を強めている。多大な費用負担や減産を迫られる懸念もあるためだ。そうした事態の回避に向けて産業分野ごとに途上国などの非効率な工場への技術移転を通じてCO2排出量削減を進める「セクター別アプローチ」という手法の採用を訴えているが、国際的な支持がなかなか広がらず、焦りの色も見える。

≪削減努力も限界に≫

 日本のCO2排出企業の上位は新日本製鉄など鉄鋼大手が占める。そうした実情もあり、現行の京都議定書を踏まえて、日本鉄鋼連盟は1990年比で10%削減を約束して生産効率化に取り組んでいる。しかし、鋼材への高い需要を背景に増産が続いたため達成が難しくなり、4400万トンの排出権を約1000億円で購入してつじつまを合わせているのが実情だ。

 仮に日本の鉄鋼会社が減産した場合、現在は途上国にはCO2削減義務がないため、結局は中国などの非効率な製鉄所が需要を埋め合わせることになる。世界全体ではかえってCO2排出量が増えるわけだ。鉄連の関沢秀哲環境・エネルギー政策委員会委員長(新日鉄副社長)は「非効率な工場が淘汰(とうた)されない今の仕組みはおかしい」と批判。日本が一段の削減を義務付けられる事態となれば「国内で製鉄ができなくなり、生産を海外へ移さざるを得ない。それでいいのか」と疑問を投げ掛ける。

 ≪途上国支援を促進≫

 日本の産業界や政府は、地球温暖化対策の新たな国際協定(ポスト京都議定書)で「セクター別アプローチ」の採用を訴えている。産業分野ごとに工場などのエネルギー効率を比較し、非効率な企業の技術レベル引き上げを通じて途上国を中心にCO2を削減する仕組みだ。

 鉄連はいち早く中国などを支援した実績を踏まえて旗振り役を任じ国際的な働き掛けを強めている。関沢委員長は「先進国のCO2削減余地は小さいが、途上国ならすぐに大幅削減ができ、支援を受ける企業のメリットも大きい」と強調。同アプローチは、途上国が大きな削減目標を背負わされる可能性が高いとしても、「先進国が資金面で支援すれば理解を得られる」と説明する。

 ≪「夢の技術」に挑戦≫

 世界トップのエネルギー効率を実現した日本の鉄鋼業は、これ以上のCO2削減余地は小さい。しかし、現状に甘んじているわけではなく、鉄連などが、石炭の代わりに水素を使う「夢の技術」に挑戦してもいる。製鉄では、鉄鉱石(酸化鉄)に含まれる酸素と石炭の炭素を結合させてCO2として取り除くのが第一歩。石炭の代わりに水素(H)を使えば副産物はCO2ではなく水(H2O)になるというわけだ。ただし、「10年や20年で実用化するのは難しい」(関係者)。

 「夢」が実現するまでは、途上国への技術移転を通じたCO2削減が最も有効だというのが鉄鋼業界の主張だが、極端に厳しい排出枠を政治的にトップダウンで決められ、排出権取引を通じた資金負担を迫られるという事態が、「悪夢」ではなく現実にならないともかぎらない。

(2008/05/19 FujiSankei Business i.)
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