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都、CO2削減義務化、3つの壁焦点――企業に重荷、高い排出権(メガロリポート)

2007年06月11日 08:30

家庭分2割

主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)の主テーマになるほど地球温暖化への関心が高まっている。折しも東京都は大企業などへの二酸化炭素(CO2)排出削減量の義務化を打ち出した。実現すれば、自治体の画期的な取り組みとなるが、解決すべきハードルは多い。焦点となる三つの問題点を探った。

(1)数値目標や罰則は?

都内で最もCO2排出量(換算値)の多い施設はどこか。

答えは、大田区にある東京都下水道局南部スラッジプラント。下水処理で発生する汚泥の処分施設で、二〇〇五年度に約十三万八千トンのCO2を排出した。これに六本木ヒルズが続き、ブリヂストンや王子製紙などの工場、東大本郷キャンパス、京王線新宿駅などが上位に顔を出す。

都によると、義務化の対象となる大規模施設はおよそ千三百。工場、オフィスビル、駅、大学などを問わず、一定量の削減目標を課す方針だ。

都は二〇二〇年までに二〇〇〇年比で排出量を二五%削減する目標を掲げていが、いまのところ大規模施設にどの程度の数値目標を導入するかは未定だ。ある大手家電メーカー担当者は「企業の社会的責任を考えると取り組まざるを得ないが、内容によってはかなりの負担になる」と打ち明ける。

目標を達成できなかった場合、都は罰則規定を設ける方針だが、課金制度を導するのか、未達成施設の公表などにとどめるのかも決まっていない。来年度の条例改正に向け、今夏から本格的な検討に入る予定で、議論の内容次第では、企業の反発も予想される。

植田和弘京大教授が「義務化は企業の技術開発力を引き出す可能性がある」と評価するように、工場や都施設などは新技術導入や熱効率の良い建物への改築などで対策を進めやすい面がある。問題はオフィスビルや大学、駅などだ。例えば六本木ヒルズを管理運営する森ビルは「現状ですでに最先端の設備を導入している」と、一段の削減が難しい状況を説明する。

(2)排出権取引は成立するか?

こうした達成が難しい施設を対象に取り入れるのが排出権取引。未達成の施設が、目標以上に削減できた施設の余剰削減分を購入する仕組みで、都内全体の削減を促す狙いがある。都は助成制度を設けて中小企業のCO2削減を進め、この削減分を大規模施設に購入してもらう構想も描いている。

では排出権の値段はいくらくらいか。欧州連合(EU)では、CO2一トン当たりの取引価格が二千円程度だ。市場の限られた日本国内では、平均八千円から一万円といわれている。仮に取引価格を一トン=一万円とし、年間十三・六万トンを排出する六本木ヒルズにあてはめると、二〇%削減分を購入した場合、単純計算で二億七千二百万円の負担となる。

問題は排出権の売買地域が都内に限られることだ。市場が狭いだけに、取引価格は一段と高くなるとみられる。さらに東京証券取引所のような市場で売買するのかどうかも今後の検討課題だ。

(3)家庭の協力は得られるか?

都内全体のCO2排出量のうち、家計部門が約二三%を占め、温暖化防止には家庭の協力も不可欠だ。

都は五月から独自の「省エネルギー促進税制」導入に向けた議論を始めた。税制優遇で、消費電力の小さな家庭用器具や太陽光発電の普及を進めようとの構想だ。

家庭でのCO2削減だけは公的機関のキャンペーンにもかかわらず、あまり進んでいない実態がある。都民の協力を得るには、税控除や助成といった経済的手法を活用する必要がある。温暖化防止に向け、大規模施設だけでなく家庭をも含めた網
羅的な対策が必要だろう。

(2007/06/09 日経)
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